かわいいなさんの空中散歩
1月27日(木)、日本一の里山・黒川地区で特産「一庫炭(菊炭)」の窯出しが始まりました

(上・2020年3月下旬頃撮影)
以前にオトナの遠足♪春のドライブランチ~日本一の里山・黒川編 その弐~で ご紹介しました市内で唯一、炭焼きを営まれている今西さん宅で、窯出しが始まりました。
川西市最北部に位置するこの黒川地区では、炭の原材料となる良質のクヌギが入手しやすいことから、室町時代頃から炭焼きが盛んに行われるようになりました。
しかし、昭和30年代以降、電気やガスが普及し、次第に衰退。さらに山間部の宅地開発などに伴い、原材料も入手しにくくなり、市内では現在唯一、今西さん宅だけがこの「炭作り」を守り続けておられます。

(上・2020年3月下旬頃頃撮影)

一庫炭は、焼き上がった炭の断面が菊の花びらの模様に見えることから、「菊炭」とも呼ばれています。
火付きと火持ちがよく、また立ち消えしにくいという特徴があり、茶席などの茶の湯の世界では、高級炭として重用されています。
炭焼きは原木を窯に運び込む「入窯」から始まります。
奥行き3.5メートル、横3メートル、高さが一番高いところで2メートの窯の中に、長さ1メートル、大きいもので直径10センチほどの原木をすき間無く立てて並べ、天井部と原木のすき間には雑木をぎっしりと詰めます。
火入れし、750℃まで上がる窯の中で、8時間かけて火を回し、計3日間焼き続けた後、窯の出入り口と煙突部を塞ぎ、密閉状態のまま4~5昼夜おいて、火が消えてから「窯出し」をします。
初窯出しの時のみ、窯内の温度上昇に時間を要するため約9日間のサイクルとなりますが、以後は1工程約8日間のサイクルで行われます。
窯出ししたその日の午後には次の原木が詰められ、次の炭焼きがはじまります。
このサイクルは、5月中頃まで続きます。
今シーズン初の窯出しとなるこの日は、午前6時半頃から作業を開始。
早朝から、シャリ、シャリ、と炭の擦れる音が山にこだましていました。
今西さんが窯の中に入り焼けた炭を外に送り出し、後継である息子さんをはじめ、家族ら3人が運び出します。
窯の中は、70度近い熱がこもり、サウナのような熱さになるため、作業は10分間ほどしか続けることができないそうです。
窯の中での作業の後、外で体を休めるといったことが繰り返されます。
今回窯入れした原木は約8トン、400~500キロの炭になりました。
通常は1回に約80キロの炭ができるそうです。
出来栄えを確認し、時間や加減を調整しながら、次の炭焼きが行われます。

ご家族3人で協力され、炭を運び出されます。
今西さんは「約90%は、全国から注文いただいた個人さんに出荷しています。コロナ禍で昨年から注文の数が例年の半分ほどになり、大きな痛手となっています。しかし、何百年も続く茶道文化の一部である一庫炭を絶やさないよう、続けていきます」などと話しておられました。
川西市の最北部に位置する黒川地区では、茶会で使用される炭の最高級品、一庫炭(菊炭)を生産。
古くは豊臣秀吉や千利休も愛用したとされ、長い歴史があります(「茶の湯の炭は、東の佐倉炭、西の池田炭(一庫炭・菊炭)と言われています。)
菊炭生産のために、材料となるクヌギが必要となり、森林ボランティアなどが参加し、里山の保全活動が行われてきました。
同地区周辺では、約8年の周期でクヌギの木を伐採し、人が常に手を入れながら、里山をつくりあげています。
伐採は、年をずらしながら山の部分ごとに行われるため、里山はモザイク状の景観となっています。
こういった自然環境におけるサイクルが今なお続いていることなどから、同地区の里山は「日本一の里山」といわれています。

※この情報は、川西市総合政策部広報広聴かよりご提供いただきました。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。