膝が悪い患者さんによく言うことは、「太りすぎないように」と「なるべく正座は控えるように」であります。ともに、膝には大変な負担になります。

ところで、日本人に正座が定着したのは、ほんの100年ほど前のことだというのを何かの本で読みました。江戸時代以前にはあぐらが一般的で、正座のイメージが強い茶道においても、千利休はあぐらをかいて茶を点てていたというのです。

飽食の時代である現在と違って江戸時代の人はスマートだっただろうし、正座の習慣もないとなれば膝にとっては実にいい環境であったと言えるでしょう。

「おばあちゃんの膝が痛いのは、明治新政府が修身教育の一環として国民に正座を普及させたからだ。」と言ったら「風が吹けば桶屋が儲かる」的になるのでしょうか（笑）